円安な時こそスペインは旅行先としておすすめ
スペインへ旅行に行ってきた。目的はガウディの建築を見ること。
円安だから日本人には海外旅行は辛い時期だが、それでも円高になるのを待っていては時間がもったいない。旅行は行ける時に行くべき。そう思って行ってきた。
ツアーなどは使わず、完全に個人で交通機関やホテルなどすべての予約を行った。
でも、意外と物価が安いためか、アメリカに旅行する人が口を揃えて言うほど、高くて何も買えないとは思わなかった。
もちろん円高の時と比べると格安とは言えないけれど、日本で生活している時と比べると、同じくらい、またはホテル代やタクシー代などはむしろ安いと思った。
そう何度も行けるものではないけれど、私自身も機会があればまた行きたい国。
海外旅行を考えているけれど、円安だしどうしよう、と思っている人に少しでも参考になればと思う。
スペインの見どころ
多くの人がスペインと聞いて思い浮かぶのは、ガウディ、フラメンコ、パエリア、この辺りだろうか。
私自身もそこまで詳しいわけではなかったが、いつかガウディのサグラダ・ファミリアは見てみたいと思っていた。(一応、建築や芸術は好き。興味ある分野は偏っている。)
結論から言って、ガウディの建築は、サグラダファミリアに加えてグエル教会などもすべて、やはり見てよかった。
また、世界史をやっている人には馴染み深いのかもしれないが、スペインはキリスト教、特にカトリックとイスラム教の文化が混ざり合った歴史がある。
アルハンブラ宮殿やメスキータ(世界最大級のモスク)などは、他の地域では見られない建築や文化である。特に、安全面のハードルという点で、比較的行きやすい地域で、イスラム文化が見られる場所は貴重だ。
スペインの食事といえばパエリアが有名だが、個人的にはパエリアは東京の専門店で食べた味と似ていると感じた。ただし、今回パエリアを食べに行った店の眺望が抜群で、テラス席でバルセロナの街と遠くにサグラダファミリアを眺めながら食事ができたので、パエリアを食べる経験自体はしてよかったと思っている。このレストランについては別記事で紹介したい。
行った時期と日程
今回の旅は、3月のスペイン。気候は東京とだいたい同じと聞いていたが、実際同じだったと思う。つまり、晴れている日はカラッと青空だが、かなり寒い日もあり、雨も降った。
私たちがスペインというと地中海で暖かそうなイメージがあるが、3月でもそんなに薄着で行ってはいけないと思う。寒さの感じ方は人によってちがうけれど、個人的にはヒートテックを1着くらいは入れておくことをおすすめする。ちなみに、スペインの観光地は地味に標高が高いところにある場合があって、緯度の割に寒いということがある。
日程は、現地で8泊した。到着が夜だったので、日中に自由に動けたのは7日くらい。
このくらいあれば、行きたいところはだいたい行けた感じがする。もちろん、時間があるに越したことはないが、お金と時間のバランスを考えるとちょうど良いと思う。
今回行った街、見たもの
もうスペインに行くことを決めてからこの記事を読んでいただいている人もいるかもしれないので、索引的に、私が行った場所をメモしておく。
- マドリード
- ティセン・ボルミネッタ美術館
- プラド美術館
- ソフィア王妃芸術センター
- トレド(Toledo)
- グラナダ
- アルハンブラ宮殿
- コルドバ
- メスキータ
- ユダヤ人街
- バルセロナ
- サグラダファミリア
- グエル公園
- グエル教会
- カサ・ミラ
- カサ・バトリョ(Casa Batllo)
- カタルーニャ音楽堂(Palau de la Musica Catalana)
- モンセラート(Montserrat)
いかにも観光地というところはこのくらい。今回は主にマドリードとバルセロナ、南側の地域が中心となっている。
治安
今回、スペインには初めて行くため、治安がどのような感じなのか不安があった。
しかし、結論としては、ヨーロッパの中でも安全な方だと感じた。
以前、イギリスやフランスへは行ったことがあり、それらの国のイメージでは、地域や駅によって危ない場所があると感じた。スペインは地理的によりアフリカに近く移民も多いと聞いていたので、注意が必要なのかなとイメージしていた。
しかし、イギリスやフランスと比べても、より安全で、なにより街の人が優しいと感じた。例えばフランスなどでは、道を歩いていても、若干のアジア人差別を感じたことがあったが、スペインでは地下鉄でも若い男性が席を譲ってくれたりということが何度もあった。
また、観光地で怪しげなお土産を売っている人や、ホームレスの方の数も少なく、街を歩いていて治安が悪いと感じたことは少なかった。
結果論ではあるが、女性だけで歩いていても大丈夫だった。
さらに、スペインでは親日家の方が多いらしく、日本人だとわかるといろんなお話をしてくれるる人もいた。
ショッピング
今回は、建築を見るためあまりショッピングに重きを置いてはいなかった。個人的にあまりハイブランドに興味がないので、日本ではあまり買えない、かつ値段がお手頃のものを中心に買ってきた。
バレエシューズやサンダルなどの靴と、美術館のグッズが良かった。
ばら撒き土産としては、もちろん人によるが、スーパーのチョコなどよりは、美術館のグッズがスペインらしく、しかも邪魔にならないもので良い。
移動手段
日本からスペインの直行便は、2024年3月現在ない。そのため、乗り継ぎが必要となる。
今回、行きはロンドンのヒースロー空港、帰りはドイツのフランクフルトで乗り換えた。
ロシア上空を避けて飛行するため、特に日本からヨーロッパへ向かうときに、北極に近い経路を通り、15時間くらいのフライトになる。グリーンランド上空を飛んだときに、真っ白な大地が見えてとても綺麗だった。
ただ15時間は長く、さらに乗り換えてから2時間ほどかかるので、着圧ソックスなど対策をしておくべきだと思う。
大まかにかかった費用
往復の飛行機代、スペインでの宿泊が8泊、スペイン国内線に2回、いわゆる国鉄に4回乗った。
交通費
日本とスペインの飛行機代は、出発日と帰国日を調整することでかなり安くなり、エコノミークラス1人往復で25万円弱だった。
スペイン国内の移動は飛行機(イベリア航空、vueling航空)や鉄道(renfe)を使った。
また、市街地では地下鉄やバス、タクシーを利用した。
特にタクシーの料金が安く、市内の移動には積極的に使った。Uberなどのアプリを使おうとしたこともあったが、それよりはちゃんとした流しのタクシーがたくさんいたので、結局アプリは利用しなかった。
グラナダでは雨の日にタクシーで20分弱乗って、6ユーロ台だった。7ユーロとして、円安なので1ユーロ160円で換算しても、1120円となる。1人でも日本で乗るより安く感じるが、複数人で乗れば、かなりお得と言える。
地下鉄やバスを利用したのはマドリードとバルセロナだが、1日券や回数券を購入した。
宿泊費
宿泊は、だいたい4つ星ホテルに宿泊した。1泊のみのところから、3連泊したところもあるが、全8泊で、1人あたり€1093、€1=¥160で計算して17万円ちょっとだった。朝食をつけて1泊2万といったところ。
どのホテルもとても綺麗で、スタッフのサービスも素晴らしく、とても居心地が良かった。
最近、日本ではビジネスホテルでも1万円超のことが多いので、それと比べるとかなりお手頃だと思った。
観光にかかった費用
昨今のスペインは、観光客の増加もあり、特にバルセロナのガウディ関係などは、事前に予約していなければ入れないという事態になっている。そして、全体的な入場料がどんどん値上げされている傾向にある。
主なところはインターネットから予約できるので、日程を決めた時点で予約することをお勧めする。公式サイトから売り切れていても、値段は高くなるが旅行会社など他のサイトから予約できる可能性はある。
海外からの観光客は、ほとんどそれを目的に行くわけなので、少しくらい高くても入場する。
しかし、これらの蓄積は意外とバカにならない額になる。そして年々、値上がりしているそう。
今回の入館料などの合計(主なもの)は、
- 美術館 3館チケット(プラド美術館、ティセン・ボルネミッサ美術館、ソフィア王妃芸術センター):€32.00
- アルハンブラ宮殿:€19.09
- メスキータ:€13
- トレド大聖堂:€10
- サグラダファミリア(鐘楼に登るチケット付き):€36.00
- グエル公園:€10.00
- カサ・ミラ:€28.00
- カサ・バトリョ:€29.00
- モンセラート:€14.00
これだけで€191もかかっている。2024年になってから、€1が少なくとも¥160なので、これで計算しても3万円を超える。観光に行っているのだから出せなくはないが、お財布に優しくない金額だ。
ただし、プラド美術館などマドリードの美術館は、18時以降の入場は無料という制度があるため、それを利用すればもう少し料金は抑えられそうだった。無料入場をねらって来ている人は多く、18時前には長蛇の列ができていた。個人的には、せっかく行くのだから、課金してでもゆっくり見学できた方が良いと思う。
私たちは予期せず、18時以降に入場してしまって、有料チケットを買っていたにもかかわらず、並ばなければいけなくなった。有料チケットを買っている場合には、早めに入場することをお勧めする。
まとめ
スペインは物価の面から、周辺のヨーロッパや北アメリカなどと比べると、比較的旅行先に選びやすいと思う。
プラド美術館では、大学生の卒業旅行かなと思われる人たちもいた。
芸術や建築を勉強している人たちにとっては、特に見どころが多くかなりおすすめできる。
現在、ヨーロッパへ行くにはフライトの時間が長い。でもスペインはヨーロッパの中では物価が安めなので、予算は抑えたいけど時間はあるという学生などはぜひぜひ行ってみてほしい。