移動中に読みたい本、大沢在昌『相続人TOMOKO』感想

空港の書店でたまたま目に入って購入、目的地に着くまでに一気に読了した本。
スピード感があって、とっても面白かったので感想を書き留めておきたい。
あらすじ
CIAで身に付けた殺人術で敵と闘う謎の美女トモコ。彼女は巨万の富を持ちながら、国籍を失っていた。そんな彼女が任務のために手を組んだのが、対称的なキャラクターの風俗嬢・智子。そんな二人のTOMOKOが米軍、警察、ヤクザと対決する傑作ハードボイルド。
(双葉社ホームページより引用 https://www.futabasha.co.jp/book/97845755284280000000)
かっこいい女性が主人公のハードボイルド

大沢在昌といえばハードボイルド。
ハードボイルドとは、暴力的な描写や反社会的な内容を、淡々と客観的に描く手法や文体のこと。
主人公は刑事や探偵、スパイなどが多い。
だいたい現実には起こらないような状況が起こったりするのだけど、ぐんぐん引き込まれて最後まで一気読みしてしまう。
大沢在昌の作品は、刑事ものも多いけれど、個人的には女性が主人公のものが好み。
『冬芽の人』とか、『魔女の笑窪』など魔女シリーズは好きだった。
『相続人TOMOKO』は、大沢在昌が初めて女性を主人公にした作品だそう。最近まで絶版となっていて入手困難だったみたい。
本の帯には、湊かなえさんが「30年ぶりに再読して、今回も涙したハードボイルド小説です」とあり、興味をそそられた。
個人的に、女性が主人公のものは、ハードボイルドの中でも少しマイルドになる気がしている。
それに、自分が女なのは大いにあるけれど、こういう本を読むと、自分も頑張ろうと思える。
読んだ後は強い女になった感じがして、個人的には、ビジネス本よりもモチベーションが上がる。
もちろん、基本的にはエンタメ本として楽しめる。
移動中におすすめの本
空港の書店に売られていただけあって、移動中に読むのにぴったりの本だった。
冒頭から主人公のTOMOKOが飛行機で移動するシーンで、すでにかっこいい。
他にも車で追いかけられてアクションシーンなど、乗り物の描写がけっこう出てくる。
物語自体もスピード感があって、自分も移動しながら読むと、より緊迫感を味わえる気がした。
まとめ
かっこいい女性の本を読みたいときには、おすすめの本だ。
エンタメ小説として、現実から離れて本の世界に没頭したいときはもちろん、モチベーションを上げたいというような人にもぜひ読んでみてほしい。
読み終わった後は、爽快な気分になっているはず。